◆「核なき世界」思い受け継ぐ
大学ノート14ページにわたって自分と家族の歩みがびっしりと書き込まれていた。「私と母さん夫婦の生きてきた歴史の一端を今初めて語ります。お前さんの便りを読んで話をしてもいいかなと思いました。私たちの背中を見て育ってくれたと思っていましたので、黙ってあの世に持って行こうと決めていましたけれど……」
熊本市に住む元高校教諭、青木栄さん(59)は、父の辰次さんが大学ノートに書いた文字を追った。今初めて語る――。それは、これまで家族にも語ってこなかった、長崎で被爆した体験と戦後の歩みだった。息子からの手紙に対する「返信」という形で父から大学ノートが届いたのは、長崎の原爆投下から55年もの年月がたった2000年9月のことだった。
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