少年の自立。それが樋口明雄の南アルプス山岳救助隊シリーズ9作目となる『風の渓』(徳間文庫)のテーマの一つである。舞台となるのは富士山に次ぐ標高を誇る北岳。その2200メートル付近にあるのが白根御池小屋だ。その隣に併設された山梨県警山岳救助隊には、ハンドラーの隊員とコンビを組む3頭の救助犬も配備されている。
13歳の中江悠人は義父と実母から暴力とネグレクトを受けていた。心配した伯母が6月に彼を北岳登山に連れ出すが滑落事故を起こす。ボーダーコリーのメイと組む星野夏実隊員らに救助され、救助隊と縁ができた悠人は、夏休みを北岳登山路の外れにある両俣小屋で過ごすことになった。
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