夫の病死後、認知症の妻が餓死 同居の孤独死 高齢化で共倒れや孤立深刻に

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高齢夫婦の遺体が見つかった部屋の前には、手押し車が残されていた=大阪市北区で2020年11月10日午後2時51分、安元久美子撮影
高齢夫婦の遺体が見つかった部屋の前には、手押し車が残されていた=大阪市北区で2020年11月10日午後2時51分、安元久美子撮影

 家族と同居していたのに、自宅で死亡してもすぐに発見されない「同居の孤独死」。東京23区と大阪市では3年間で、計538人に上ることが明らかになった。家族が認知症や引きこもり状態で気付かないケースのほか、夫婦が2人とも遺体で見つかるなどの「共倒れ」も各地で起きている。家族が地域から孤立し、支援の網の目からこぼれてしまう事態は、高齢化でさらに深刻になる恐れがある。対策はあるのか。

 「最近、同じマンションに住む高齢夫婦の姿が見えず、生活音もしない」

 大阪市北区にあるマンションの管理人男性は9月末、住民から相談を受けた。部屋をノックしたが反応はなく、3度目に訪れた際に異臭がしたため、10月5日に通報。警察官が室内に入ると、70代夫婦とみられる男女の遺体が見つかった。大阪府警によると、夫は死後約1週間。夫が病死した数日後、認知症の妻が餓死したとみられる。

 近隣住民らによると、夫婦は30年近く前からこの部屋に住んでいた。夫は物静かで、妻は明るく穏やかな人だった。妻は市民プールに通っていたが、歩いて20分ほどのプールまで1時間以上かかるようになった。「よく鍵をなくす」とも話していたという。

 数年前から妻の姿が見えなくなり、管理人が様子を尋ねると、夫は「自…

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