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映画のミカタ

マスクのない風景=勝田友巳

 青春恋愛映画を一緒に見ていた中学生の娘が「なんか新鮮」とつぶやいた。映画の内容ではなくて「みんなマスクしてない!」。公開中の「サイレント・トーキョー」はクリスマスに爆弾テロが起きる社会派スリラーだが、「いつもと同じ平穏なクリスマス」の風景にマスクがなくて、うっすらと違和感を覚えてしまった。撮影現場で助監督が「撮影がしにくくなった」と戸惑っていた。背景に映り込む人混みにマスクが目立ってしまうと。新型コロナウイルスの感染が広がり始めて約1年、「日常」の風景が変わってしまった。

 言語学に「有標」「無標」という概念がある。大ざっぱに言えば無標は中立、無色透明。そこに条件や特徴を表す標識が加えられると、有標になる。たとえば「記者」なら無標だが、「女性記者」なら有標。「食べる」なら無標だが、「食べた」は過去に限定されるので有標。これにならえば「マスク無し」は、「無標」から「有標」に180度転換したことになる。

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