もう銀行窓口で紙幣数えません 進むキャッシュレス化 衛生的、コスト削減も
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「銀行の窓口」と聞いて、行員が巧みに紙幣を数える姿を思い浮かべるようでは、もう時代遅れ? 新型コロナウイルスの感染を嫌って現金になるべく触れたくないという風潮を踏まえ、出入金の業務を現金自動受払機(ATM)に任せる「キャッシュレス店舗」が登場した。業務のスリム化を進めたい銀行にとっても実は好都合だ。
1970年代――。銀行の支店では午後3時に出入り口のシャッターが閉まると、顧客から預かった現金が出入金を記した帳簿と合致するかどうか、窓口業務の行員が一斉に調べ始めた。1円も違わず合わせる必要があり、元銀行員で作家の江上剛さん(66)は「金額が合わないと外回りから戻った営業職員も加わり、総出で数え直したものだった」と懐かしむ。
こうした銀行の日常業務が変わりつつある。三井住友銀行は11月、窓口で現金を扱わない支店を同行で初めて開業した。第1号となった中央林間支店(神奈川県大和市)では、紙幣を最大900枚まで一度に扱える高機能ATMを置き、窓口の行員が担っていた顧客との現金の受け渡しを全て高機能ATMに任せた。
顧客は行員に通帳やキャッシュカードを示して手続きの内容を告げ、本人確認を済ませるとQRコードを印刷した紙を渡される。そのQRコードを…
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