議論開始から立法化まで20年 生殖補助医療法成立はなぜ遅れたか

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生殖補助医療法案を賛成多数で可決した衆院法務委員会=国会内で2020年12月2日午後3時40分、竹内幹撮影
生殖補助医療法案を賛成多数で可決した衆院法務委員会=国会内で2020年12月2日午後3時40分、竹内幹撮影

 不妊治療のため夫婦以外の第三者の精子や卵子を使い、体外受精など生殖補助医療によって出産した場合の親子関係を定める民法の特例法(生殖補助医療法)が成立した。生殖補助医療を巡る法整備は2000年代初めから議論が本格化したが、立法化までに20年もの年月を要した。なぜこれほど遅れたのか。残された課題を含め、その背景に迫った。

当事者や専門家からは批判の声も

 「20年来、何も進まなかったことを考えれば『まず一歩』と評価できる」。法的な枠組みがない中で長年、生殖補助医療に携わってきた慶応大の田中守教授(周産期学・生殖医学)はこう強調した。

 4日に成立した生殖補助医療法は、人工授精や体外受精などの技術を使って生まれた子の親子関係を定めた。第三者の卵子で出産すれば、産んだ女性を母と規定。夫が同意した上で第三者の精子を利用して妊娠した場合、生まれた子の父であることを否認できないとした。既に判例が積み重ねられており、現状を追認した。一方、夫以外の第三者の精子を使った非配偶者間人工授精(AID)などで生まれた子が遺伝上の親を知る権利や、女性が別の人に子を引き渡す目的で妊娠・出産する「代理出産」の是非については「2年をめどに法制上の措置を講じる」と付則に盛り込み先送りされた。

 1990年代に国内で代理出産などが実施され、法整備に向けた議論が本格化してから約20年。なぜこれほど時間がかかったのか。そ…

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