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少人数学級の導入 きめ細かな教育に必要だ

 小中学校で少人数学級を導入することの是非を巡る議論が本格化している。きっかけは新型コロナウイルスの感染拡大だ。

 現在の法律では、1学級は最大40人と定められている。国際的に見て人数が多い。教育界には、子ども一人一人をきめ細かく指導するには少人数化が必要だという声が根強い。

 だが、実現するには教員の数を増やさなければならず、大きな財政負担を伴う。これまで一貫して財務省が壁となってきた。

 そこへ今年、コロナ禍が起きた。今の規模では教室の「密」を避けられず、感染拡大を防ぎきれないとの声が自治体や与党から湧き起こった。

 これを受けて、文部科学省は来年度の予算編成で少人数化に必要な経費を要求した。

 今回も財務省が真っ向から反対している。そもそも、学級規模の縮小が学力の向上につながる効果は限定的だとの主張だ。

 コロナ対応を前面に掲げる文科省とでは、議論がかみ合わないのではないかと懸念される。

 教育現場が抱える課題は質、量ともに変化している。

 近年、教員が「一方通行」的に教えるスタイルは見直しを迫られ、一人一人を丁寧に討論へ導く役割を求められるようになった。

 いじめや不登校は増加を続けている。小さなサインも見逃さない目配りがますます欠かせない。

 障害のある子や、急増する外国籍の子が他の子たちと共に学ぶ環境づくりも急がねばならない。

 きめ細かい教育の必要性は一層高まっている。その認識を共有し、具体的な少人数化の方策を話し合うべき時ではないか。

 文科省案は、10年をかけて段階的に「30人学級」にするというものだ。少子化で児童生徒は自然に減るので、追加的な財政措置はほとんど必要ないと試算している。

 他にも忘れてはならない対策がある。

 教員は学習と関係ない事務作業に忙殺されており、働き方改革が急務だ。教員採用試験の倍率は低下傾向にあり、新卒以外を含めた幅広い人材を確保して教員の質を保つ必要がある。

 そうした足元の対策を積み重ねていくことが大切だ。

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