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NHK改革 受信料制度や高額の徴収費用は見直し不可避 高市早苗前総務相が寄稿=後編

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高市早苗前総務相=東京都千代田区で、滝川大貴撮影
高市早苗前総務相=東京都千代田区で、滝川大貴撮影

 来年1月に公表予定の2021~23年度のNHKの中期経営計画の策定などに合わせ、NHK改革の議論が活発だ。今年9月まで総務相を務め、退任直前の記者会見で「やり残したことはNHK改革」と語った高市早苗前総務相(自民党衆院議員)が寄稿した。前後編2回にわたるウェブでの寄稿の後編を載せる。

   ◇     ◇

 NHKの非効率性として私が度々指摘してきたことは、「営業経費の高止まり」だ。

 NHKの2019年度決算の契約・収納にかかる「営業経費」は759億円だった。19年度の受信料収入は7115億円だったから、受信料収入のうち10・6%を、受信料を徴収するために使った計算になる。

 受信料収入に占める営業経費(徴収費用)の18年度の比率は、英国で2・7%、フランスで1・0%、ドイツで2・2%だから、10%を超える日本は特に高額だ。徴収コストが約31億円と特に安価なフランスでは、政府が税金と一括で徴収している。英国は民間に委託。韓国は電力公社に委託している。

 NHKの「訪問要員にかかる経費」は、19年度の営業経費759億円のうち305億円もかかっている。彼らが行う「訪問巡回活動」は、未契約や入居者の入れ替わりを把握するための「点検」、契約が確認できない家屋の「訪問」、住人に会えるまで訪問を繰り返しての「面接」、受信機設置の有無を確認する「設置把握」、受信料制度の意義などを説明する「説明・説得」という手順を踏んで、ようやく新規契約や住所変更、地上契約から衛星契約への変更、支払い再開といった「契約取り次ぎ」に至る。大変な仕事だとは思うが、「急に訪ねてきた訪問員が、テレビの有無を確認するために部屋に上がり込んで怖かった」という苦情も伺っている。

 フランス、ドイツ、フィンランド、韓国では、受信料は強制徴収であり、支払わない場合には罰金や追徴金が課される(英国は強制徴収ではないが罰則はある)のだから、強制徴収制度がない日本のNHKの苦労には、同情すべき点もある。

インターネット時代に対応を

 現行の放送法に基づく受信料制度は、あくまでも「テレビ受信機の設置」が基準となっている。ほぼ全ての世帯がテレビ受信機のみを通じて放送番組を視聴していた時代には、NHK受信料は「負担金」として一定の合理性があったと…

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