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東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

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進学諦めかけたことも… 津波で母を亡くした24歳の大学院生、防災研究の道に

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防潮林の模型を使って津波の威力を減らす実験に取り組む堀合紳弥さん=青森県八戸市で2020年11月19日、和田大典撮影
防潮林の模型を使って津波の威力を減らす実験に取り組む堀合紳弥さん=青森県八戸市で2020年11月19日、和田大典撮影

 東日本大震災で親を亡くした子と保護者へのアンケート調査で、ひとり親家庭の厳しい経済的状況が浮かんだ。津波によって母を亡くした堀合(ほりあい)紳弥さん(24)は、震災後に父が病で倒れて進学を諦めかけたものの、奨学金などの支援を得て学び続けることができた。今は大学院で、津波からの避難に関する研究に励む。

日常を奪った津波

 2011年3月11日。岩手県山田町に住んでいた中2の紳弥さんは、学校で激しい揺れに襲われた。高台の高校に避難し、暗幕にくるまって一晩過ごすことに。翌日、建設会社員の兄康介さん(30)が迎えに来た。母と兄の計3人で暮らしていた自宅は津波で全壊し、水産加工場に勤めていた母るり子さん(当時48歳)と連絡が取れないと伝えられた。

 新潟県に単身赴任中の建設会社員、父勝実さん(65)も駆けつけ、母を捜し回った。るり子さんの服装を知るのは出勤を見送った自分だけ。遺体安置所で数千体の遺体の写真や資料をめくった。3カ月後、警察官から「これがお母さんです」と写真を差し出される。津波に襲われた後、火災に巻き込まれて真っ黒になった母…

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