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「カキ殻に口をつけなければあたりにくい」はミスリード ツイッターで拡散

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「カキの殻に口をつけなければあたりにくい」という趣旨のツイートはミスリード
「カキの殻に口をつけなければあたりにくい」という趣旨のツイートはミスリード

 「牡蠣(かき)を食べるときは殻に口をつけてズルッとやらず、お箸などで貝柱を外してからパクッと食べた方があたりにくいらしい」「細菌の多くは牡蠣の“殻”にいる」――そんなツイートが拡散し、3万件近くリツイート(RT)されている。おいしいカキが出回る季節になり、生ガキの好きな人には気になるところだが、この情報はミスリードだ。カキによる食中毒の主原因は細菌ではなくカキの内臓にいるノロウイルスで、殻に口を触れなくてもあたる可能性はある。

【丸山博、日下部聡/統合デジタル取材センター】

 「Kikka」というアカウントから12月7日に投稿されたこのツイートは冒頭の言葉に続き、「『細菌の多くは牡蠣の“殻”にいる』と昔三重の漁師さんから教えてもらい、私は一回もあたったことありません」と記している。10日午後2時現在、約2万7000件のリツイートがあり、約5万8000件の「いいね」がついている。

 反応の中には称賛も多い。「生牡蠣を食べる予定があるので参考になります」「知らなかったです。ありがたい情報ありがとうございます」「素晴らしい知識をありがとう!」――などだ。また、自己流の食中毒予防法を披露する人も現れ、「食べた直後、日本酒で殺菌するので大丈夫。その代わり、翌日、痛風」との根拠不明の書き込みもある。

 一方で批判もある。「カキは海の濾過(ろか)装置と言われるぐらい大量の海水を吸い込んで栄養を摂取するので、その過程で可食部に病原体がため込まれる」との趣旨の投稿は「人命に関わるようなデマを流すな」と憤っている。

食中毒の多くはノロウイルス

 ここは整理が必要だろう。

 まず、「カキにあたる」とはどういうことだろうか。

 厚生労働省と農林水産省の公表資料によると、カキによる食中毒の原因はノロウイルスと貝毒に大別される。

 厚労省ウェブサイトの「ノロウイルスに関するQ&A」は、ノロウイルスによる食中毒の原因食…

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