32億人のデータ独占で意のままに…? 米当局、FB提訴の背景

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「GAFA」と称される米IT大手4社のアプリ
「GAFA」と称される米IT大手4社のアプリ

 米連邦取引委員会(FTC)と48州・地域が9日、米フェイスブック(FB)を独占禁止法違反で提訴し、写真共有アプリ「インスタグラム」の事業分割を含む厳しい是正措置を求めた。その背景には、膨大な利用者データを独占して意のままに扱う巨大IT企業への警戒感がある。

SNS広告では約8割のシェア

 「FBの不当な市場独占の結果、消費者の選択肢が減り、プライバシー保護が低下した」。州政府による提訴を主導したニューヨーク州のジェームズ司法長官は9日の声明でこう指摘した。

 FBはSNSを利用者に無料で提供し、売上高のほぼ全てを広告費で稼いでいる。米調査会社によると、FBの2019年のネット広告シェアは22%だが、SNS広告では約8割を占める。

 FBの2020年9月の月間利用者数は世界で27億4000万人、インスタグラムやワッツアップを含めると32億人に達している。この膨大な利用者データを利用して居住地や年齢、興味などに応じて広告の配信対象を絞り込む「ターゲティング広告」がFBの屋台骨を支えている。

 個人データを収集し、広告主に販売するFBのビジネスモデルにとって、利用者情報の囲い込みは生命線だ。このため、FBは利用者拡大の障壁となる恐れのある競合サービスを警戒し、なりふり構わず買収や模倣を繰り返してきた。12年4月には創業2年のインスタグラムを10億ドルで、14年2月には急成長していたワッツアップを190億ドルで買収。また、写真・動画共有アプリ「スナップチャット」や、中国・北京字節跳動科技(バイトダンス)の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」が若者に人気となり急成長すると、FBも類似サービスを導入した。

 しかし、…

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