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「ヤングケアラーなんて横文字を使わず『若年介護者』でいい」「軽い感じになって、深刻さが伝わらない」。通学や仕事をしながら家族の介護・世話などをしている子ども「ヤングケアラー」の報道に対して、ネット交流サービス(SNS)上でこんな疑問や苦言をよく目にします。確かに和訳した方が分かりやすく親切なようですが、政府が行う全国調査や埼玉県が制定した全国初の条例、研究者の調査などでは「ヤングケアラー」という英語表記が使われ続けています。なぜでしょうか?【ヤングケアラー取材班】
大阪府の北川幸(さち)さん(仮名)は、小中学生時代に統合失調症の母親と暮らした元ヤングケアラーです。中学1年の頃、深夜の繁華街を目的地もないまま母親に連れ回され、帰宅は午前0時過ぎという生活でした。会話のおぼつかない母親に代わってスーパーの店員とやりとりをし、食事を作ってもらえない日はインスタント食品などで空腹をしのいだそうです。母親は身体に異常はなく、統合失調症の知識も当時なかった北川さんは、物理的な介護というよりも、母に寄り添って支え、見守っていたわけです。
ポイントは「ケア」と…
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