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「財研」記者日記

予算案の編成過程を財務省内にある記者クラブ「財政研究会」の担当記者が、「そもそも」や舞台裏をリポート。

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(4)族議員から予算増額の大合唱 「厳しい……」うめく財務省幹部

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自民党の部会を束ねる「政務調査会(政調)」の全体会議。奥でマイクを握るのは下村博文政調会長。この日は追加経済対策について話し合われた=東京都千代田区で2020年12月4日午前8時、和田憲二撮影
自民党の部会を束ねる「政務調査会(政調)」の全体会議。奥でマイクを握るのは下村博文政調会長。この日は追加経済対策について話し合われた=東京都千代田区で2020年12月4日午前8時、和田憲二撮影

 12月1日、東京・永田町の自民党本部。私は報道各社の記者らとともに息を押し殺し、会議室のドアに耳を押しつけていた。開かれていたのは自民党の「部会」。特定の政策に精通し、行政にも強い影響力を持つ「族議員」たちが、予算案や税制改正案について意見を出し合う場だ。

省庁と族議員の固い結束

 自民党には、政策のあり方を調査、審議する「政務調査会」(政調)の下に、国土交通、文部科学、経済産業、厚生労働など主要省庁に対応した14の部会がある。各省庁の幹部や業界団体の代表らが招かれることも多い。原則として会議は非公開だが、ドアの隙間(すきま)などから、かすかに声が漏れてくる。

 私たち記者はやり取りをじかに知ろうと、こうした声に耳を澄ませる。通称「壁耳」。何人もの記者がドアにへばりついて必死にメモをとる光景は、第三者からは滑稽(こっけい)に見えるかもしれない。それでも血税の使い道を探るには、こんな地道な取材を重ねるしかない。

 ある部会の会議では、関連省庁の幹部と思われるこんな声が聞こえてきた。…

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