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文学に陰あり

夏樹静子「女優X 伊沢蘭奢の生涯」 ある石見人、波乱と母子愛 /島根

 山陰の小京都こと津和野の町はひっそりしたたたずまいである。夫と6歳の息子を捨て、東京で女優になろうと津和野を出奔した女性がいる。その時27歳。大正から昭和初めの約10年にわたり新劇界で活躍した伝説の大女優、伊沢蘭奢(らんじゃ)だ。激しいまでの強さと、狂おしいほどの寂しさをたたえた、ある石見人(いわみじん)の生き方に迫るのが「女優X 伊沢蘭奢の生涯」(1993年刊)である。

 著者の夏樹静子(1938~2016年)は、日本の女性推理小説家の草分けで、「蒸発」「Wの悲劇」など傑作をものし「ミステリーの女王」と称された。作品の豊かな社会性の根幹に母と子の絆というテーマを宿す夏樹が薄命の蘭奢を知り、初めて伝記小説に挑んだ。

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