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窓をあけて

「理系白書」の報道などで第1回科学ジャーナリスト大賞を受賞した、元村有希子編集委員のコラム。

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「人新世」に生きる=元村有希子

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イラスト 羅久井ハナ
イラスト 羅久井ハナ

 人新世。「じんしんせい」「ひとしんせい」などと読む。ノーベル賞を受けたオランダの化学者が提唱した。

 核実験で生じた放射性元素や石油由来のプラスチック、高濃度の二酸化炭素が地質から検出される時代を指す。言い換えれば「人類が環境を大幅に改変した時代」。

 頭では理解できてもピンとこないとすれば、それは影響が、まず小さい部分に表れるからだろう。それは静かに始まり、じわじわと広がる。そして多くの人が気づいた時には、取り返しのつかない事態に立ち至る。南太平洋に浮かぶサンゴ礁の国・ツバルは、そんな最前線の一つだ。

 ツバルの国土面積は九つの島を合わせて26平方キロ。平均標高は約2メートルで、「地球温暖化によって最初に沈む国」とも言われる。今でも潮が満ちると、サンゴ質の地面からふつふつと海水が湧き出してくる。

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