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「菅語」を考える

質問に正面から答えず、同じフレーズを繰り返し、議論を拒む。菅義偉首相の言葉の本質や、問題点を考えます。

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「発信力ない菅さんはスリーピー」 首相就任は花道? デーブ・スペクターさん

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デーブ・スペクターさん=東京都千代田区で2019年1月9日午後6時29分、根岸基弘撮影
デーブ・スペクターさん=東京都千代田区で2019年1月9日午後6時29分、根岸基弘撮影

 菅義偉首相から、自らの言葉でメッセージを発信しようとする姿勢が見えてこない。記者会見は臨時国会の閉会に合わせて12月4日に開いたが、これで就任以来ようやく2回目。国会でも原稿の棒読みが目立った。放送プロデューサーのデーブ・スペクターさんは、米大統領選でトランプ大統領がバイデンさんに付けたあだ名「スリーピー(退屈な)・ジョー」が菅さんにも当てはまると指摘し、専門的なメディアトレーニングを受けるようアドバイスする。【金志尚/統合デジタル取材センター】

本人が一番分かっているはず

 ――菅首相のこれまでの言動をどう見ますか。

 ◆菅さんとは面識もあります。ギャグも言うし、会うと楽しい人ですよ。ただ、官房長官がそのまま首相になった感じですね。名刺を変えなくてもよかったんじゃないかなと思うぐらいです。それぐらいインパクトに欠けます。おとなしくて、勢いもない。よくトランプ大統領が大統領選中、(民主党候補だった)バイデンさんを「スリーピー・ジョー」と呼んでいましたが、その言葉が当てはまりますね。恐らく本人が一番分かっているはずですよ。

 ――なぜ向いていないと思うのですか。

 ◆菅さんの政治家としての能力や知識は申し分ないと思います。ただ裏方みたいに、ずっとプロデュース業でいたい人なんですよ。(AKB48などを手がけたプロデューサーの)秋元康さんだって自分では歌わないでしょ。彼のカラオケですら僕は見たことがないですよ。そういう感覚で見ると、果たして首相になるべきだったのか。

 正直に言うと、そもそも菅さんは自民党総裁選で大穴だったと思う。ところがいつの間にか「岸田(文雄)さんはなあ……」となり、石破(茂)さんもいつも通り除外されて結局、これといった人がいなくなった。大変失礼ですが、「消去法」で決まったという言い方もできます。

 病気で辞めた安倍(晋三)さんの後任は1年限りのつなぎではないかと言われていた中、テレビで「菅さんはパンケーキ好き」などと持ち上げられるようになって、流れができちゃったんですよ。

 それと1年間限定という想定だから、若い人がやるともったいない。菅さんなら年齢も年齢だし、自民党も安倍さんもお世話になってきた。だから一種の「花道」的な側面もあったと思います。

小池都知事の方がよっぽどうまい

 ――首相になった途端、国会答弁のつたなさが目につき始めました。

 ◆「花道」にも通じる話ですが、官房長官を8年近くもやったから、首相になったのは年功序列の人事異動のように見えますよね。地方銀行で副支店長から支店長になったみたいな感じです。菅さん自身も首相を熱望していたわけではないと思うし、首相の座を「勝ち取った」という感じでもない。その影響が出ていますね。今の姿は、使命感に燃えて、という感じに…

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