議員の出産は「事故」? 女性の事情を想定しない議会規則の実態

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インタビューに答える橋本聖子女性活躍担当相=東京都千代田区で2020年7月9日、宮本明登撮影
インタビューに答える橋本聖子女性活躍担当相=東京都千代田区で2020年7月9日、宮本明登撮影

 政治分野での女性進出の遅れが指摘される日本だが、女性議員の事情を想定していない議会規則の存在がクローズアップされつつある。国会では衆参両院の議会規則に産前産後の期間が明文化されておらず、地方では欠席理由に「出産」を規定していない議会も存在する。その実態は――。

地方議会の2割、欠席理由に規定なし

 「『突発的な事故と書いてもらうしかない』と言われた」。11月12日、自民党の女性議員らと会談した橋本聖子女性活躍担当相(参院議員)は20年前の経験を披露した。

 2000年に妊娠を公表した橋本氏。ところが当時の参院規則には国会の欠席理由は「公務、疾病」などしかなかった。出産のための欠席をあやうく「事故」として扱われそうになった橋本氏の経験は反響を呼んだ。超党派の議員らが「出産を、正々堂々と欠席をする理由としてつくるべきだ」と主張。同年の規則改正につながった。

 改正された参院規則は「公務、疾病、出産その他一時的な事故によって議院に出席することができないときは、その理由を記した欠席届を議長に提出しなければならない」と「出産」が初めて付け加えられた。

 翌01年には衆院で民主党の水島広子議員(当時)の出産をきっかけに、同様の衆院規則改正が行われた。

 15年には有村治子女性活躍担当相(当時)が各地方議会に議会会則の改正を働きかけ、多くの議会で同様に議会の欠席理由に「出産」を加える改正が行われた。

 ところがいまだに約2割の地方議会では「出産」を欠席理由に明記していないという。

 出産のための欠席なのに「事故」として扱いかねない――。そんな議会は、いまだに存在しているようだ。

明文化されない産休期間

 では議員の「産休」はどうなっているのか。

 労働基準法では「産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)、産後8週間」の休業期間を認めている。だが、議会での「産休」の休業期間についての規定は、衆参の規則や、都道府県・政令指定都市議会の会則のいずれにも存在しない。市町村議会では、栃木県佐野市議会などで同期間を「産休」として認める例もあるものの、全体の1割未満にとどまる。

 産休が明文化されないのは、…

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