理念と差別のはざまで パリで黒人の歴史教えるツアーが静かな人気

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パンテオンに眠るアレクサンドル・デュマについて話すケビ・ドナさん=パリで2019年2月28日午後2時44分、久野華代撮影
パンテオンに眠るアレクサンドル・デュマについて話すケビ・ドナさん=パリで2019年2月28日午後2時44分、久野華代撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大で観光客が消えたパリで、この街に息づく黒人の歴史や文化をたどるガイドツアーが地元の人たちの静かな人気を得ている。フランスでは11月、黒人男性が警官に集団暴行される事件が映像で発覚し、大規模な抗議デモに発展した。草の根のガイドツアーが映し出す、「人権の国」フランスのきらめきと影とは。

 パリの観光名所として知られるリュクサンブール公園にある仏上院の前でケビ・ドナさん(36)がツアーの参加者に説明する。「フランスの上院で初の黒人議長が誕生したのは1947年。ガストン・モネルビルでした」

 第二次大戦直後のフランスで黒人の政治家が権力の一角を占めていたことに、驚きの反応が広がる…

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