特集

新型コロナウイルス

新型コロナウイルスのニュース、国内での感染状況を報告します。

特集一覧

持続化給付金、不正受給疑いが30億円 簡略化を悪用 少なくとも6000件

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
持続化給付金の申請サポート会場=東京都中央区で6月(代表撮影) 拡大
持続化給付金の申請サポート会場=東京都中央区で6月(代表撮影)

 新型コロナウイルスの影響で収入が減った中小事業者を支援する政府の持続化給付金をめぐり、不正が疑われる申請が少なくとも約6000件あり、既に不正受給された疑いのある事例の総額は少なくとも約30億円に上ることが、政府関係者への取材でわかった。警察による不正の摘発が全国で相次いでいるが、給付金の申請期間は来年1月までで、実際の被害規模はさらに膨らむ可能性もある。

 新型コロナで中小企業などへの経済的な打撃が深刻化しており、持続化給付金を所管する経済産業省は「迅速な給付」を掲げてオンライン申請を簡略化。それを悪用した不正も、5月に制度が始まった当初から懸念されていた。

 政府関係者によると、申請期間に入ると「知人が不正に受け取っている」などの情報が、給付金事務局のコールセンターに頻繁に寄せられた。経産省は申請者の氏名やメールアドレス、給付金の振込先口座、担当税理士がそれぞれ同一といった不審な申請を分析。申請に添える確定申告書の偽造など、不正の疑いがある事例が多数見つかった。

 政府は、給付金の1次補正予算(5~8月)分の事務を、一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」に委託。7月までの間だけで不正が疑われる申請が約6000件、受給額は約30億円に達した。その後の申請についても調査・分析を続けている。

拡大

 同省は不正疑いの情報を警察庁などにも伝え、全国の警察当局が取り締まりを強化。8月に愛知県警が不正受給を代行したとして男性会社役員ら3人を逮捕したのをはじめ、組織的な詐欺グループなどの摘発が相次ぐ。12月2日時点で35都道府県の計222人が詐欺容疑などで検挙され、立件分の被害総額は約1億7400万円。

 不正が増えた背景には、審査の厳格さよりも給付までの早さを重視した制度設計があるとみられる。経産省は不正疑い事例の規模について「ノーコメント」と回答。一方、既に調査を始めた不正疑いの事例では、「受給者の自主返還は受け付けず、厳しく対処する」とした。ただ、膨大な疑い事例を「全て捜査・立件するのは無理だ」(捜査関係者)との声もある。

拡大

持続化給付金

 新型コロナウイルスの影響で1月以降のいずれかの月収が前年同月比で半分以下になった事業者に対し、中小企業(資本金10億円未満)には200万円、個人事業主には100万円を上限として政府が支給する。第1次補正予算の事務をサービスデザイン推進協議会、9月以降の2次補正分はコンサルティング会社「デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社」がそれぞれ受託。12月7日までに約386万件、約5兆円が支給された。

【新型コロナウイルス】

時系列で見る

次に読みたい

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集