互いを尊重する社会を目指すには--台湾の「天才大臣」オードリー・タン氏が語る

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台湾のデジタル担当相、唐鳳(オードリー・タン)氏。この日に着ていた上着には、特別な意味が込められていた=台北市の行政院で2020年11月23日、福岡静哉撮影
台湾のデジタル担当相、唐鳳(オードリー・タン)氏。この日に着ていた上着には、特別な意味が込められていた=台北市の行政院で2020年11月23日、福岡静哉撮影

 台湾のデジタル担当相、唐鳳(オードリー・タン)氏(39)が毎日新聞のインタビューに応じた。ITを民主主義に生かす方策は。分断が進む社会で互いを尊重し合う社会を目指すには――。世界が直面するさまざまな課題に対する唐氏の示唆に富む考え方を紹介する。

15歳で起業 シリコンバレーで活躍 35歳でデジタル担当相

 唐氏は異色の経歴の持ち主だ。中学時代に学校へ行かなくなり、独学でコンピューター言語を習得して15歳で友人らと起業。高校には進学せず、プログラミングで世界的業績を上げ、米シリコンバレーのIT業界でも活躍した。

 20歳のころ、自分が心と体の性が違うトランスジェンダーだと自覚。24歳の時に男性から女性に性別を変え、その後、名前も「唐宗漢」から「唐鳳」に変更した。

 2016年10月、35歳で蔡英文政権のデジタル担当相に就任し、行政のデジタル化をけん引している。台湾で新型コロナウイルスの感染が拡大したとき、どこの薬局にマスクの在庫があるか一目で分かる地図アプリの開発に関わり、日本でも「天才大臣」として一躍、その名が知られるようになった。

 台北中心部にある行政院(内閣)のビル1階にある唐氏のオフィスを訪ねた。 「背が高いですね」

 「よくIQ(知能指数)180と言われ…

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