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ここに注目|高校駅伝2020

男子第71回、女子第32回全国高校駅伝競走大会に出場する注目のチームと選手を紹介します。

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ここに注目|高校駅伝2020

仙台育英・吉居駿恭 前エースの兄追い都大路へ 静かなる闘志

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ガッツポーズする吉居駿恭(右)と兄・大和=京都市右京区のたけびしスタジアム京都で2019年12月22日午後3時29分、藤田花撮影 拡大
ガッツポーズする吉居駿恭(右)と兄・大和=京都市右京区のたけびしスタジアム京都で2019年12月22日午後3時29分、藤田花撮影

 男子第71回、女子第32回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社など主催)が20日、京都市のたけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場)を発着点に行われる。連覇を狙う男子・仙台育英で主要区間を任されそうなのが、2年の吉居駿恭(しゅんすけ)だ。

 倉敷とのトラック勝負を制し、右手人さし指を突き上げて歓喜のフィニッシュテープを切ってから、間もなく1年。当時のエースだった兄・大和は中央大に進学し、吉居駿は3年生とともにチームを引っ張る存在へと成長した。そんな吉居駿の刺激となっているのは、やはり兄の存在だ。

 10月の宮城県予選会。レース開始前、選手らは箱根駅伝予選会を走る中大・吉居大の中継映像にくぎ付けになっていた。吉居大はチームトップの快走で、予選会の2位通過に貢献。真名子圭監督は「レースに集中しろよ、とは思ったが、これで駿恭の目の色が変わった」とみる。1区を担った吉居駿は、他校を突き放す走りで優勝への流れを作った。

 新型コロナウイルスの影響で、春先は愛知県田原市の実家に帰省。兄は大学に残ったため、一人で地元のクロスカントリーコースに通い、「普段の学校ではできない練習を積めた」と振り返る。

都大路に向けて朝練習で走り込む仙台育英の吉居駿恭=宮城県多賀城市で2020年11月22日午前7時52分、伝田賢史撮影 拡大
都大路に向けて朝練習で走り込む仙台育英の吉居駿恭=宮城県多賀城市で2020年11月22日午前7時52分、伝田賢史撮影

 「兄とは普段あまり連絡は取らない」というが、強い刺激を受けていることは間違いない。吉居大は今季、U20(20歳未満)5000メートルの日本記録を更新。1年生ながら学生トップレベルのランナーに成長した。「かなり強くなっているが、自分も負けてはいけない。いろんなことを学んで高め合いたい」と話す。そんな吉居駿を、真名子監督は「試合で走っている時も、目の前に兄貴がいて、その影を追いかけて走っている感じだ」と評する。

 陸上に取り組むきっかけは、2011年の世界選手権大邱(テグ)大会(韓国)をテレビ観戦したことだった。男子1万メートルの決勝で、優勝したエチオピアのイブラヒム・ジェイランの強烈なラストスパートに衝撃を受けた。中3時には全国中学校大会の男子1500メートルで優勝するなど、学年屈指のランナーに成長。「将来は世界で活躍する選手になりたい」と先を見据える。全国高校総体が中止になっても、「そこだけを目指しているわけではない」と気持ちを切り替えた。

 目前に迫った連覇への舞台。「自分たちの最大限の力を発揮すれば、結果はついてくると思う」。兄と同じく静かな口調ながら、熱い決意を感じさせた。【伝田賢史】

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 男子第71回、女子第32回全国高校駅伝競走大会に出場する注目選手を紹介します。次回は16日午後3時、男子・佐久長聖(長野)の伊藤大志選手を公開する予定です。

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