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ここに注目|高校駅伝2020

男子第71回、女子第32回全国高校駅伝競走大会に出場する注目のチームと選手を紹介します。

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ここに注目|高校駅伝2020

佐久長聖・伊藤大志 記録よりも強さ、勝利を 後悔胸に前へ

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11月の記録会の男子5000メートルで高校歴代2位の記録を樹立した佐久長聖の伊藤大志主将=長野県佐久市で2020年12月2日午前11時57分、大東祐紀撮影 拡大
11月の記録会の男子5000メートルで高校歴代2位の記録を樹立した佐久長聖の伊藤大志主将=長野県佐久市で2020年12月2日午前11時57分、大東祐紀撮影

 男子第71回、女子第32回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社など主催)が20日、京都市のたけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場)を発着点に行われる。今年男子5000メートルで高校歴代2位の記録を樹立したのが、優勝候補の一角、佐久長聖(長野)の伊藤大志主将(3年)だ。東京オリンピック・マラソン代表の大迫傑(ナイキ)らを輩出した名門のエースが飛躍した原動力は、あるレースでの「後悔」だった。

 「一生覚えていると思う。あれ以上の悔しさはない」。3区を走った昨年の都大路でのことだ。優勝した仙台育英の吉居大和(当時3年、現中大)とほぼ同時にたすきを受け取ったが、すぐに抜け出した吉居を追わずに自らのペースを守った。

 「セオリーなら前に出た選手についていくべきだった」と伊藤。1学年上の実力者と自分とを比較し「自分の走力に不安があったのだと思う。駆け引きなどの判断にも自信が持てなかった」。5000メートル13分台の脚力がありながら、結果は区間18位と平凡な成績に。チームは仙台育英との差を詰め切れずに3位でフィニッシュ。「自分が足を引っ張ってしまった」と振り返る。

11月の記録会の男子5000メートルで高校歴代2位の記録を樹立した佐久長聖の伊藤大志主将=長野県佐久市で2020年12月2日午前11時55分、大東祐紀撮影 拡大
11月の記録会の男子5000メートルで高校歴代2位の記録を樹立した佐久長聖の伊藤大志主将=長野県佐久市で2020年12月2日午前11時55分、大東祐紀撮影

 悔しさをバネに最後の都大路に向け、主将としてチームをまとめた1年は、順風満帆ではなかった。1月に左足の甲を疲労骨折して2カ月間走れず、新型コロナウイルスの影響で4月から約1カ月半は全体練習ができなかった。それでも「一つ一つの練習の質を上げることに集中した」。単独でのジョグでは、ペースを保って淡々とこなすのではなく、意識的に途中でペースを上げるなど工夫をこらした。何が起きるかわからない本番を想定し、臨機応変に対応するためだ。

 そして、11月に開かれた日体大記録会の男子5000メートルで13分36秒57の高校歴代2位の記録を樹立。これは、中学時代から知る東農大二(群馬)の石田洸介(3年)の記録に2秒差に迫る快走だ。本人は「組にも恵まれ、ラッキーな部分も多かった」と謙遜するが、高見沢勝監督は「主将としてチームを引っ張ったことで、周りを見る余裕が出てきて、それがレースでの落ち着きや視野の広さにつながっている」と成長を実感する。

 「記録よりも強さ。勝つための走りをしたい」と伊藤。もう、悔いは残さない。【大東祐紀】

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 男子第71回、女子第32回全国高校駅伝競走大会に出場する注目選手を紹介します。次回は17日午後3時、男子・東農大二(群馬)の石田洸介選手を公開する予定です。

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