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<ともあり遠方より来たる、また楽しからずや>
この秋に福井支局へ転勤したが、慣れぬ土地での孤独を慰めようと友人が訪ねてくれるのはありがたいことだ。迎える身として、論語にあるような心持ちでいたい。
ところが、越前ガニ殿のおかげで、ケチな男となりかねない危機に陥っている。あまりに高名なカニ殿がおわします所へ、分不相応にも転勤してきたからだ。
赴任して友人、知人から届く便りは、「ええとこへ行ってくれました。カニに会いにいきます」「カニざんまい。楽しみや」といったものばかり。「まかしとけ」と当初は返信していたが、カニ解禁の11月に入って店頭に並び始めると、「ほんまに来たらヤバいわ」と憂鬱になった。値段には大きな幅があるが、安い方でもざっと1杯2万円はするからである。
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