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「菅語」を考える

「菅さん、同じことを子どもの前でできますか」 尾木ママが読む対話なき政治のもろさ

教育評論家の尾木直樹さん=東京都武蔵野市で2018年11月15日、長谷川直亮撮影

 非を認めず、論点をずらし、対話を遮断する「菅語」が子どもたちの間で広まったら――。菅義偉首相が国会などで不誠実な答弁や説明を繰り返す中、教育現場への悪影響を心配する声が上がっている。本来模範になるべき国のトップが見せる姿勢に、「尾木ママ」こと教育評論家の尾木直樹さんは怒りを込めて問う。「菅さん、同じことを子どもたちの目の前でもできますか」と。【金志尚/統合デジタル取材センター】

一方的にしゃべればいいというものではない

 ――官房長官時代を含め、菅さんの言葉をどう見ていますか。

 ◆コミュニケーションというのはインタラクティブ(双方向的)なもの。つまり言葉のキャッチボールです。相手の言葉を受け取ったら、投げ返す。言語能力が高い人というのは、こういうキャッチボールができる人のことを言うのであって、ただ一方的に巧みにしゃべればいいというものではないんです。

 でも今は、菅さんをはじめとする政府はおろか、多くの政治家たちもそうなっている。特に日本学術会議の任命拒否問題では、同じ答弁を繰り返してばかりですよね。こうなると、国民が政治を信頼しなくなってしまう。それが一番よくありません。

 ――実際、国民の間では諦めが広がっている気がします。

 ◆家庭に置き換えて考えてみましょう。頑固なお父さんとお母さんが何カ月もまともに話をしてくれないと、子どもはある日「もういいや」と諦めてしまうでしょう。もう国民がそういう状況になっている。海外みたいに国民がデモをしたりして声を上げれば、意思や主張が「見える化」されますが、日本の場合は黙ってしまうんですよね。怒りが「動」ではなくて「静」となって心の中にため込まれる。それが一番まずい。

 対話を拒み、言葉を大切にしない政治家が増えれば、政治そのものが脆弱(ぜいじゃく)になるのではないか。現に今、そうなっている。その結果、根深くはびこったのが忖度(そんたく)文化です。政治不信が極端に進み、官僚を目指す学生が減るのも当然です。こういう状況が続くとボディーブローのよ…

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金志尚

2007年入社。大津支局、松江支局、北陸総局、大阪社会部などを 経て、20年10月から統合デジタル取材センター。外国人、障害者ら「マ イノリティー」をテーマに取材をしてきました。東京出身ですが、東京勤務は初 めて。あまり分野を特定せず、広く政治や社会問題全般をフォローしていきたい と思います。趣味は映画、小説、スポーツ。

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