政府、現役世代支援に軸足 収入ある高齢者負担増 「全世代型社会保障」最終報告

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全世代型社会保障検討会議で発言する菅義偉首相(左から2人目)。左端は西村康稔経済再生担当相=首相官邸で2020年12月14日午前10時57分、竹内幹撮影
全世代型社会保障検討会議で発言する菅義偉首相(左から2人目)。左端は西村康稔経済再生担当相=首相官邸で2020年12月14日午前10時57分、竹内幹撮影

 政府は14日、「全世代型社会保障検討会議」(議長・菅義偉首相)を開き、最終報告をまとめた。75歳以上の医療費窓口負担の引き上げや不妊治療の助成拡大が主な柱。来年の通常国会に関連法案を順次提出する。一定所得のある高齢者に負担を求め、現役世代に配慮する狙いがあるが、制度の持続可能性が十分に担保されたとは言い難い。

首相「若い世代の負担上昇を抑えるのは待ったなし」

 「若者と高齢者で支え合い、若い世代の負担上昇を抑えるのは待ったなしの課題だ」。14日の会議で菅首相の問題意識を象徴したのが、若者の負担への言及だった。最終報告の個別の政策も、高齢者に負担を求める一方、現役への配分に軸足を置いた内容が目立つ。

 柱は、75歳以上の医療費窓口負担を引き上げる改革だ。単身世帯で年収200万円以上、夫婦世帯で年収計320万円以上が1割負担から2割負担になる。既に3割負担の現役並み所得者(単身世帯で年収383万円以上)を除く約370万人が対象だ。後期高齢者医療制度が導入された2008年度以来、初の大きな制度改正となる。

 人口の多い団塊の世代(1947~49年生まれ)が22年度から75歳以上にさしかかると医療費が膨張する。最終報告は、高齢者医療を支える現役世代の保険料の上昇を抑えることが「最も重要な課題」とする一方、「必要な受診が抑制されないことが不可欠」と指摘。対象者の年収の線引きは、一連の事情を「総合的に勘案」と記した。

 これらは現役世代を重視する菅首相が年収170万円以上、高齢者に配慮する公明党が240万円以上を主張し、中間の年収200万円以上で決着した経緯を反映した。公明党の提案で窓口負担増を最大で月3000円に抑える経過措置(施行から3年)を設ける。

 改革に伴い高…

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