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コロナ禍で「第九」を歌えないベートーベンイヤーが終わろうとしている。まさかベートーベン生誕250年に、人々が集い、作り上げる音楽が、世界から消える事態がやってくるなんて。
昨年11月の新聞記事を思い返した。韓国人の指揮者、鄭明勲(チョンミョンフン)さんのインタビュー。アジア各国の若者を束ね、アジア・フィルハーモニー管弦楽団を創設した彼は、若者に「第九」をよく演奏させる理由を記者に尋ねられ、こう答えた。
<「すべての人は兄弟になる」というきわめて明快なメッセージを、彼(ベートーベン)は合唱に言わせなければならないと考えた。世界には、言葉ではっきり伝えなければいけないことがある>
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