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武田 砂鉄・評『デス・ゾーン』河野啓・著

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自らの虚像に囚われた登山家の危うい実像

◆『デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場』河野啓・著(集英社/税別1600円)

 2018年、エベレストへの登頂を目指している最中に滑落死した登山家・栗城史多(くりき・のぶかず)。凍傷で9本の指を切断していた彼はなぜ無謀な挑戦を続けたのか。かつて、彼のドキュメンタリー番組を制作した著者が、疑念を抱えながら、その最期を追う。

 冒険・探険にまつわる作品を数多く読んできたが、栗城の著作は通読することができなかった。なぜならば、そこに注がれたメッセージがあまりに直接的で安っぽく思えたから。自身の冒険について、栗城は「冒険の共有」と呼んでいた。冒険の模様を自撮りする理由を「だって、もったいないじゃないですか? こんなに苦労して登っているのに誰も知らないなんて」と述べ、インターネットでの生中継を「夢の共有」と位置付けていた。

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