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建築 地方都市に注目/リノベーション増加=五十嵐太郎(建築史家・東北大教授)

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内藤廣による高田松原津波復興祈念公園=五十嵐太郎さん撮影
内藤廣による高田松原津波復興祈念公園=五十嵐太郎さん撮影

 今年はオリンピックによって東京が盛り上がるはずだったが、コロナ禍のために、新国立競技場の設計者である隈研吾の東京国立近代美術館における大規模な個展が延期になったり、完成していたホテルがオープンを遅らせたりするなど、さまざまな対応を余儀なくされた。そういうわけで各種の運動施設における祝祭的な光景はお預けとなっている。また竹中工務店と伊東豊雄による地形をいかした商業施設のウィズ原宿や、立体的な公園を展開するミヤシタパーク(渋谷)など、話題の再開発も登場したが、むしろ注目すべき建築は、地方都市に多かったように思われる。

 印象に残った日本各地の作品をいくつか挙げよう。防潮堤や震災遺構をランドスケープデザインに組み込んだ内藤廣の岩手・高田松原津波復興祈念公園(昨年秋から一部公開)は、もうすぐ3・11から10年という節目を迎えるにあたって、ようやく姿をあらわした超重量級の作品だった。原爆投下から10年後にオープンした丹下健三の広島平和記念資料館(1955年)のような建築として位置づけられるだろう。また日本設計による熊…

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