消費増税はリフレレジームの異物 タイミングを間違えた 本田悦朗氏
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大胆な金融政策、機動的な財政政策、成長戦略の「3本の矢」でデフレ脱却を目指したアベノミクス。しかし、当初2年で達成するとした2%の物価目標(インフレターゲット)は今も達成できていない。いったい何が成功して何が失敗だったのか。第2次安倍政権で内閣官房参与を務めた本田悦朗氏に聞いた。
「日本にアベノミクスは必要だった」
「もう少し待てばもっと値段が下がるだろう」――。人々がこう予想すると、モノの値段は下がり続け、経済は成長しなくなる。このデフレマインドを大きく変える。「デフレレジーム」から「リフレレジーム」への転換。これこそがアベノミクスの神髄だった。なぜ、2%の物価安定目標を達成できなかったか。それは、将来に対する明るい展望を人々に持ってもらえなかったことに尽きる。
日本にアベノミクスが必要だったことは、バブル崩壊以降に日本が歩んだ失敗を見れば分かる。資産デフレが進行する中、山一証券や北海道拓殖銀行の破綻など、1990年代後半に金融システミックリスクが連続して発生。アジア通貨危機や消費増税(3%から5%)もあって、市場心理が大きく落ち込んだ結果、真性デフレが始まってしまった。
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