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菅政権発足3カ月 「株式会社化」する日本 思想家・内田樹さん

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内田樹さん=佐々木順一撮影
内田樹さん=佐々木順一撮影

議論避け、逆らえば左遷

 「長期的には日本全体の国益を損ねる」。思想家で武道家の内田樹・神戸女学院大名誉教授(70)が今年10月、菅義偉政権の日本学術会議任命拒否問題を巡り、記者会見で述べた言葉である。政権発足から3カ月で内閣支持率は急落し、短期的にも民心が離れつつあるように見える。内田さんは、この状況をどう捉えているのだろうか。

 喫緊の課題である新型コロナウイルス対策を巡り、専門家が強く求めていた「GoToトラベル」の一時停止について、菅首相はようやく年末年始を対象外にすると決断した。「感染対策と経済対策の二兎(にと)を追う者は一兎(いっと)をも得ずの典型例で、目的と手段の関係性が明らかでない。対策がない、ビジョンがない、哲学がない」

 毎日新聞と社会調査研究センターが今月実施した全国世論調査で、内閣支持率が11月の57%から40%に大幅に下落し、報道各社の世論調査でも支持率は軒並み落ち込んでいる。過去最多の新規感染者が出続ける中、世論の風向きの変化を見て、官邸は真っ青になったのだろうか。

 菅政権は「選択と集中」で無駄を排除する新自由主義的な性格が強いと見られている。「感染症対策には医療資源の戦略的備蓄が必須ですが、それは感染症が広がっていない時には無駄に見えます。だから、新自由主義にはなじまない。今回の感染症対策で政府は、いつまでに、どういう手段で、どんな数値目標を達成しようとしているのかを明示していません。すると、事後的に成否の判断ができない。ただ『頑張った』という主観的な自己評価だけで『対策は成功した』と言い抜けて、検証を逃れるつもりでしょう」

 一方、菅首相は…

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