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中国取材の経験が豊富な坂東賢治専門編集委員のコラム。

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失われる報道の自由=坂東賢治

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 英スパイ小説の巨匠、ジョン・ル・カレ氏が89歳で死去した。ワシントン・ポスト紙は「スパイ小説を文学に昇華させた」と1面で報じた。「華やかではなく、冷徹で陰惨で時にみじめですらある諜報(ちょうほう)活動の世界を描き出した」という英BBCの評が的を射ている。

 ル・カレ氏は冷戦期の国際情勢を背景に英情報機関と旧ソ連の情報機関の争いを描いた。英国のアジア拠点だった香港も舞台になった。「スクールボーイ閣下」(1977年)には冒頭、香港外国人記者クラブが登場する。

 長く中国ウオッチの拠点だった同クラブは日中戦争時に国民党政府が置かれた重慶で43年に誕生した。戦後、南京や上海を経て国共内戦で共産党が勝利した49年に香港に移った。朝鮮戦争やベトナム戦争では取材拠点の一つになり、会員から犠牲者も出た。

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