環境に反応、機能を発揮 スマートポリマー、医療に応用
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光や熱など周りの環境変化に合わせて、自動的に性質を変える特殊な素材を、病気の治療に利用しようという研究が進んでいる。「スマートポリマー(賢い高分子化合物)」と総称されるこれらの素材。いったいどんなものなのだろうか。
世の中のさまざまな物質は、「分子」という基本単位で構成されている。分子は物質の種類によって違い、その質量を「分子量」という。今回紹介するポリマーとは、分子量が非常に大きい分子(高分子)で構成された物質(化合物)のことだ。プラスチックが例に挙がることが多いが、人体をつくるたんぱく質も、アミノ酸で構成されるポリマーだ。
物質・材料研究機構(茨城県つくば市)スマートポリマーグループの荏原(えばら)充宏リーダーによると、ポリマーのうち光や熱、酸性度を表すpH、糖、水など周りの環境に反応して機能を発揮するように作ったものをスマートポリマーと呼ぶという。機能は、変形しても湯につけると元の形に戻る「形状記憶」、体液などに反応して分解される「生分解」などがある。
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