「ギチョーッ」「望みまーす」 若手衆院議員の登竜門・議事進行係とは

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衆院本会議で動議を読み上げる自民党の武部新氏=国会内で2020年12月4日午後3時4分、藤井太郎撮影
衆院本会議で動議を読み上げる自民党の武部新氏=国会内で2020年12月4日午後3時4分、藤井太郎撮影

 衆院本会議で冒頭や終盤に議場で声を張り上げる「議事進行係」を見たことはあるだろうか。若手議員が務める一見「地味」な役職だが、実は歴代首相も経験した、若手の「登竜門」とも呼ばれている。帝国議会時代から続いているとされ、その歴史も古い。議事進行係の謎を探った。

 「ギチョーッ(議長)。各常任委員長の選挙はその手続きを省略して、議長において指名されることを望みまーす」。自民党の武部新・国対副委員長(当選3回、二階派)は昨年10月26日の臨時国会初日、手に汗を握りながら、議事進行係としてのデビュー戦を飾った。

 就任が決まってから、インターネット上の動画で過去の映像を見ながら研究。開会の前週には森山裕国対委員長らが見守る中、リハーサルを行い、独特の節回しなどの指導を受けたうえで、本番に臨んだ。「初日は与野党みんなから期待や興味津々の目で見られる。失敗しなくてよかった」と振り返る。

 議事進行係は、衆院本会議の冒頭や終盤に大声で叫び、議長に対して動議を求め、当日や次回の議事日程を提案する。

 慣例で定められた役職で、毎国会の初めに与党の議院運営委員から選ぶ。衆院事務局によると、1894~95年の第8回帝国議会から始まったとの説があるという。参院では1993年まで、常任委員長などの選挙の省略についてのみ、最大会派の議運委員会理事が口頭で動議を提出する同様の慣例があった。現在は議長が諮る。

 自民党内では青年局長などと並んで、総裁をはじめ実力者への登竜門とされる役職の一つだ。

 経験者を見ると、竹下登、森喜朗両元首相、古賀誠元幹事長、谷垣禎一元総裁、岸田文雄前政調会長、野田聖子幹事長代行、加藤勝信官房長官--。そうそうたるメンバーが名を連ねる。小渕恵三元首相の次女、優子元経済産業相のほか、武部氏の前任は福田康夫元首相の長男・達夫氏が務めた。首相経験者を父に持つ両氏は、所属する竹下、細田両派から「将来の首相候補」との期待もかけられている。

 議事進行係は当選3回ほどの若手から選ばれるのが通例で、党幹部は「若手はみんなやりたいのではないか」と語る。実…

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