中学は認めず、財務省と痛み分け 公立小「35人学級」 駆け引きの舞台裏

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
萩生田光一文部科学相(右から2人目)と面会し、少人数学級の導入などを要望する全国知事会など地方3団体の代表者ら=2020年7月3日午前11時25分、大久保昂撮影
萩生田光一文部科学相(右から2人目)と面会し、少人数学級の導入などを要望する全国知事会など地方3団体の代表者ら=2020年7月3日午前11時25分、大久保昂撮影

 政府は17日、公立小学校の学級編成基準(上限)を現在の40人(1年は35人)から35人に引き下げることを決めた。来年度以降、2年から学年ごとに移行し、5年間をかけて全学年で実現することになった。文部科学省は中学校も含めて一律30人への引き下げを求めたが、効果を疑問視する財務省は譲らず、「痛み分け」の決着となった。ぎりぎりまでもつれた交渉の舞台裏と今後の課題を探った。【大久保昂、田中理知】

総務省を味方に付けた文科省

 今月11日、首相官邸。菅義偉首相は麻生太郎財務相、萩生田光一文部科学相と相次いで面会した。用件は「少人数学級」。首相は萩生田氏に「予算で決まっていないのはこの件だけだ」と伝え、合意を急ぐように促した。

 通常ならこの時期、来年度予算編成は、省庁の事務方レベルの折衝で数字が固まっている。ところが、少人数学級導入に関しては、文科省、財務省とも一歩も譲らず議論は平行線をたどっていた。ある文科省幹部は焦慮の色を深めていた。「こんな事態は初めて。でも萩生田大臣は絶対引かないだろう」

 少人数学級に関して、萩生田氏は夏以降、国会や記者会見でたびたび導入への強い意欲を示してきた。緊急事態宣言が明けて間もない6月下旬、萩生田氏は東京都内の小学校を視察した。この学校は児童数の兼ね合いで、たまたま全ての学級が30人以下だった。ゆとりのある教室を目にした萩生田氏は周辺にこう語ったという。「クラス規模はこのくらいの方がいい」。ちょうどこの頃、新型コロナウイルス感染防止と学びの保障を両立させるには少人数学級が必要だという声が与党からも出始めた。

 こうした状況を背に文科省は強気の姿勢で財務省との折衝に臨んだが、…

この記事は有料記事です。

残り2155文字(全文2862文字)

次に読みたい

あわせて読みたい

注目の特集