新型コロナウイルスの感染者数と死者数が世界一の米国。国民は分裂し、大統領選やブラック・ライブズ・マター(BLM、黒人の命は大事だ)運動をめぐって罵詈雑言(ばりぞうごん)を投げつけ合っている。ミネソタ州ミネアポリスに住んでいたジャーナリストのジェニファー・ワーナーさん(49)はそんな母国に見切りをつけ、一家でニュージーランドに引っ越した。なぜ米国を去ったのか。オンラインで取材した。【國枝すみれ/統合デジタル取材センター】
――米国脱出を決めた理由は何ですか?
◆コロナの感染拡大、トランプ政権への不満、BLMをめぐる混乱と暴動――。全部が合わさっています。
私は医療NPOのウェブサイトに医療や公衆衛生に関する記事を書く仕事をしています。コロナの感染拡大で在宅勤務になりましたが、超激務でした。やはり在宅勤務していた理学療法士の夫ポール(49)が病院に戻ると、私一人が仕事をしながら、自宅でオンライン学習をする息子2人の面倒をみなければならなくなったのです。
子どもたちのコンピューター画面を常にのぞいているわけにはいかない。気づいたら、次男のヘンリック(10)がオンラインゲームにはまっていました。授業に参加せずにこっそりゲームをしていたのです。
ヘンリックは学校では先生の言いつけを聞くとても良い子でした。…
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1991年入社。英字新聞毎日デイリーニューズ編集部、西部本社福岡総局で警察担当記者、ロサンゼルス支局、メキシコ支局、ニューヨーク特派員を経て、2019年10月から統合デジタル取材センター。05年、長崎への原爆投下後に現地入りした米国人記者が書いたルポを60年ぶりに発見して報道し、ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。
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