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高まる病床逼迫への懸念 東京都、医療体制「余力なし」 警戒レベル「最高」引き上げ

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記者会見で年末年始の新型コロナウイルス感染対策を呼び掛ける小池百合子東京都知事=東京都庁で2020年12月17日午後6時56分、竹内紀臣撮影
記者会見で年末年始の新型コロナウイルス感染対策を呼び掛ける小池百合子東京都知事=東京都庁で2020年12月17日午後6時56分、竹内紀臣撮影

 東京都の新型コロナウイルスの感染状況が日に日に深刻になり、都は17日、医療提供体制について初めて最高の警戒レベルに引き上げた。1日あたりの都内の感染者も800人を超え、年末年始を控えて病床逼迫(ひっぱく)への懸念が高まっている。

都医師会「余力全部使った」入院先送りも

 「医療提供体制の余力の部分は全部使った。患者を減らすしかない」。警戒レベルの引き上げを決めた17日の都モニタリング会議で、都医師会の猪口正孝副会長はこう語り、医療現場の置かれている厳しい状況を説明した。都関係者によると、会議に先立って同日午前に行われた専門家による協議では、警戒レベルの引き上げについて異論は出なかったという。

 都内の医療提供体制は瀬戸際まで追い込まれている。都によると、保健所が新型コロナ患者の入院先を見つけられず、都に入院調整を依頼した件数は1日160件を超え、入院が翌日以降に繰り越された事例が多数生じている。17日には新規感染者が過去最多の822人となるなど増加傾向に歯止めが掛からず、入院患者数も2000人前後の水準まで増えている。

 新型コロナで診療を制限する医療機関も出ている。都医師会などによると、急性大動脈症の手術を24時間体制で受け付ける都内の重点病院15カ所のうち、2カ所(17日時点)が新型コロナの影響で患者の受け入れを停止している。他の病院がカバーしているが、都医師会の新井悟理事は「さらに受け入れ停止が広がれば、手術が不可能になる事態もあり得る」と危機感をあらわにする。

 今後懸念されるのは、人員が手薄になる年末年始をどう乗り切るかだ。17日のモニタリング会議では、現在のペースで感染者が増えた場合、2週間後の12月31日には都内の重症者は104人になるとの試算も示された。都は協力金を支給するとして、年末年始に診療する医療機関を募集している。だが、「スタッフの確保が難しい」と回答する医療機関もあるという。

 都は新型コロナ患者の病床を3000床から4000床まで増やすよう医療機関に要請。軽症者らが宿泊療養するホテルも10施設(約4000室)確保した。中等症以下の患者を受け入れる専用医療施設を16日、府中市に開設するなど、医療提供体制の強化を進めている。また、これまで65歳以上は原則入院としてきたが、70歳未満で基礎疾患や認知機能に大きな問題がない場合は宿泊療養の対象とすることも検討する。

 ただ、都幹部は「…

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