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はやぶさ2

探査機「はやぶさ2」がリュウグウで試料を採取して持ち帰る6年の旅を完遂。分析や次のミッションを解説。

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「気に入らない」連発 はやぶさ2チーム鍛えたJAXA宇宙研所長の厳しい指導

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探査機はやぶさ2の2回目の着陸を前に「気に入らない」と繰り返していた国中均・JAXA宇宙科学研究所長=相模原市中央区の同研究所で2019年6月26日、永山悦子撮影
探査機はやぶさ2の2回目の着陸を前に「気に入らない」と繰り返していた国中均・JAXA宇宙科学研究所長=相模原市中央区の同研究所で2019年6月26日、永山悦子撮影

 小惑星リュウグウの石が入っているカプセルを地球へ帰還させた探査機「はやぶさ2」。小惑星への2回目の着陸(昨年7月)に挑む直前、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の国中均・宇宙科学研究所長は、はやぶさ2チームに対して「気に入らない」と繰り返していた。ミッションの成功とチームが成長した陰に、国中所長の高い要求と厳しい指導があった。【永山悦子/オピニオングループ、池田知広/科学環境部】

「失敗すれば地球へ帰れず『0点』に」

 カプセルの地球帰還に合わせて12月6日に開かれた記者会見で、国中さんは「はやぶさ2の運用チームには、所長として厳しい指導をしてきた」と話した。どんな指導だったのか。

 記者がその一例を聞いたのは、相模原市の宇宙科学研究所(宇宙研)を訪ねた2019年6月下旬だった。国中さんに、はやぶさ2の2回目の着陸への意気込みを聞くためだった。しかし、国中さんは意外なことを話し始めた。「(1回目の着陸に成功し、試料が取れたとみられる)はやぶさ2は大変重要な財産。(2回目の着陸について話し合う会議で、着陸はやめて)ここで成果の刈り取りをしてはどうかという動議を出した」

 はやぶさ2チームは同年7月11日に2回目の着陸をするため、入念な準備を進めていた。それにもかかわらず国中さんは「失敗すれば地球へ帰れず『0点』に終わる。失敗は、宇宙研の他のプロジェクトの停滞を招く。はやぶさ2のことだけを考えればいいチームと、私の立場は違う」と、2回目の着陸に「待った」をかけたと明かした。

 国中さんの頭には、先代の探査機「はやぶさ」が2回目の着陸後に通信途絶に陥ったこともあった。2回目に挑む気満々だったチームに、冷や水を浴びせた形だった。

 取材に対し、「6月中に着陸する予定を7月に延期したのが気に入らない。はやぶさ2運用チームの若手は、…

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