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全国高校駅伝2020

2020年12月20日に京都市で開かれる男子第71回、女子第32回全国高校駅伝競走大会のページです。

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超高速レースの予感 全国高校駅伝 20日号砲 その意外な理由とは?

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昨年の全国高校駅伝男子1区で日本選手歴代最高記録をマークした八千代松陰(千葉)の1区・佐藤一世(手前)。今年はどんな好記録が生まれるか=京都市で2019年12月22日、猪飼健史撮影 拡大
昨年の全国高校駅伝男子1区で日本選手歴代最高記録をマークした八千代松陰(千葉)の1区・佐藤一世(手前)。今年はどんな好記録が生まれるか=京都市で2019年12月22日、猪飼健史撮影

 男子第71回、女子第32回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社など主催)が20日、京都市のたけびしスタジアム京都を発着点に開かれる。今季は高速化が一段と進み、男子(42・195キロ)で史上初の「2時間切り」を予想する関係者もいる。女子(21・0975キロ)は既に予選で、全国大会を含めた歴代最高タイムがマークされた。新型コロナウイルス感染拡大で練習などが制限される中で、好記録が相次いだのには意外な理由があった。

 都道府県予選の男子で、前回優勝の仙台育英(宮城)は前年の県予選を5秒上回る2時間2分41秒を出し、佐久長聖(長野)、豊川(愛知)も2時間3分台をマークした。仙台育英は優勝した前回の全国大会で県予選から1分14秒も速いタイムを出すなど、都大路では予選以上のタイムをマークする出場校が多い。

 また、今季は個人でも東農大二(群馬)の石田洸介(3年)が高校生の5000メートル日本歴代最高記録(13分34秒74)を出した。今大会の出場予定選手で、高校生トップクラスの証しである5000メートル13分台の自己ベストを持つ日本選手はエントリー時点で13人にのぼり、前回の9人を上回る。チーム別では佐久長聖と世羅が3人、仙台育英も1人いる。

 男子の大会記録は2015年に世羅(広島)が出した2時間1分18秒だが、高速化を受け、仙台育英の渡辺高夫元監督(ミズノ・アドバイザリースタッフ)は「2時間を切っていい時代になってきた」と指摘する。渡辺氏が仙台育英を率いた04年大会では2時間1分32秒の歴代最高記録(当時)を出し、自ら「神の領域」となぞらえた。渡辺氏は「トップレベルの選手は13分台で走るのが当たり前になってきた。どこが2時間を先に切るんだという時代」と話す。

 一方、女子も神村学園(鹿児島)が県予選で1時間6分4秒を出し、1996年全国大会で埼玉栄が出した高校最高記録を22秒も上回った。連覇を狙う仙台育英(宮城)も1時間6分59秒で続き、高速化が進む。

コロナで中止続々 鍛錬集中、けがも少なく

2015年大会で男子の歴代最高記録となる2時間1分18秒でフィニッシュする世羅の新迫志希=西京極陸上競技場で2015年12月20日、森園道子撮影 拡大
2015年大会で男子の歴代最高記録となる2時間1分18秒でフィニッシュする世羅の新迫志希=西京極陸上競技場で2015年12月20日、森園道子撮影

 好記録が続出する理由はいくつか考えられる。一つは新型コロナの影響で全国高校総体などの主要大会が相次いで中止になったことだ。男子の世羅・新宅昭二監督は「有力選手は試合の間隔が詰まってしまいがちだが、今年はじっくり鍛えられた」と振り返る。大会直前は調整のため走り込みの量が減り、継続的な強化が難しい。さらに、大会を見据えた強化期に激しく追い込むが、佐久長聖・高見沢勝監督は「今年は大会がなく、けがも例年より少なくなった」と明かす。

 モチベーションの高さを指摘する声もある。全国高校駅伝は高校生長距離ランナーの集大成だが、新型コロナで高校総体が中止になり、選手の都大路に懸ける思いは例年より強い。男子の仙台育英・真名子圭監督は「気持ちの飢えが(好記録を出した県予選で)バッと吐き出された」と表現する。

 さらに、前回大会から反発力とクッション性を両立させたナイキ社の厚底シューズが高校生にも広く浸透した。実業団の指導者の間で「5000メートルで15秒、1万メートルで30秒速くなる」との見方が広まる「魔法」のシューズを使用する選手が今大会も多いとみられる。

 とはいえ、行き過ぎた高速化は選手の故障につながりかねず、成長段階での無理な負荷は将来にも影響しかねない。速さと伸びしろのバランスを取りつつ、新しい「神の領域」への挑戦が期待される。【伝田賢史】

【全国高校駅伝2020】

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