特集
性別にとらわれず自分らしく生きるために、声を上げる人たちが増えてきました。LGBTはレズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシャル(B)、トランスジェンダー(T)の頭文字をとった性的少数者を表す言葉です。誰もが私らしく生きることを認め合える社会を目指して、動き始めた人たちを取材していきます。
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「ギリギリで、もう無理だった。あのままだったら路上生活しかなかった」。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、失業した40代の男性はそう振り返る。同性愛者でもある。20年以上勤めた外資系企業を昨年秋に退職後、働いていた飲食店がコロナで閉店。追いつめられた男性を救ったものとは何だったのか。
●震災で病み転職
コロナによる経済の影響は、社会の中の弱い立場にある人の暮らしを直撃している。男性はゲイで、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)陽性者。昨年10月までサービス業関連の正社員として真面目に働いてきた。ゲイであることについては、自分から周囲に伝えることにしていた。そのせいか社内では気にせず過ごせた。「仕事は楽しく、やりがいを感じていた」という。
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