授業の質改善、中1の壁対策も…「教科担任制」先行した兵庫の小学校

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5年1組の社会の授業。担当するのは3組担任の渡辺賢一郎教諭(中央奥)。1組担任の横山和伸教諭(手前)は教室の最後尾で宿題のチェックなどをしていた=兵庫県伊丹市立鴻池小学校で2020年11月12日午前10時3分、田中理知撮影
5年1組の社会の授業。担当するのは3組担任の渡辺賢一郎教諭(中央奥)。1組担任の横山和伸教諭(手前)は教室の最後尾で宿題のチェックなどをしていた=兵庫県伊丹市立鴻池小学校で2020年11月12日午前10時3分、田中理知撮影

 「今いろんなメディアがあるけど、特徴が分かる人?」。兵庫県の伊丹市立鴻池小学校(児童数601人)の5年1組の社会の授業。教壇に立つのは1組の担任ではなく、社会が「得意」な3組の担任、渡辺賢一郎教諭(35)だ。渡辺教諭の問いかけに、子どもたちから次々と手が挙がる。「ラジオは災害時に持ち運べる」「インターネットはいろいろ調べられる」――。その時、1組担任の横山和伸教諭(44)はというと、教室の後ろの教員用机で宿題の添削に追われていた。

 授業の終盤、渡辺教諭は子どもたちに授業で気付いたことをノートに書くように指示し、机の間を歩き回りながら相談に乗る。そこへ、一段落付いた担任の横山教諭も加わり、頭をひねる児童に声をかけアドバイスを送っていた。

 小学校では、専科教員が教える「教科担任制」の中学校とは違い、学級担任が基本的にそのクラスの授業を受け持つ「学級担任制」が主流だが、兵庫県では先進的に2012年度から県内全域の公立小学校の5、6年で独自の教科担任制を取り入れている。現在、政令市の神戸市を除く県内581校中463校で実施している。

 「兵庫型教科担任制」と呼ばれるその方式の特徴は主に二つある。まず、国語、算数、理科、社会などから2教科以上を選び、同じ学年の担任同士で相談して、「得意」「不得意」に合わせて授業を交換する。鴻池小の横山教諭と渡辺教諭は社会と理科を交換している。それぞれ「自分が担当する授業がない空き時間を事務作業や担任の子どもたちと過ごす時間に充てられる」「教材研究をする時間的余裕があるし、繰り返し授業をするので改善点を生かした授業もできる」とメリットを口にする。

 二つ目は、国語、算数、理科、英語のうちから1教科以上を選択し、2人の教員が一緒に授業をするか、クラスを二つに分ける少人数指導を行う。県教委によると、きめ細かな授業ができ、中学進学後に学校生活の変化に適応できない「中1の壁」問題の解消につなげるのが狙いだ。

 県教委が17年に、小学生の時に教科担任制の授業を受けた中学1年生を対象に実施したアンケートでは、72・4%が…

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