大学ミスコンは、批判を受けつつも長年にわたり、「女子アナウンサーの登竜門」として注目を集めてきた。エッセイストで元TBSアナウンサーの小島慶子さん(48)は、ミスコンが存続する背景には、日本社会の構造的な性差別があるとし、「女性の品評会」を放置している大学側の責任も指摘する。【五味香織/統合デジタル取材センター】
――大学ミスコンは長年、注目を集めてきたイベントです。
◆私が大学生だった1990年代前半は、まだ大学がレジャーランドと言われていた時代で、学業よりも恋愛や部活動に重きが置かれていました。「女子大生・女子高生ブーム」の時期でもあり、女子学生が週刊誌の表紙を飾ったりもしていました。
ただ、大学ミスコンは東京大や慶応大などごく一部を除き、就職活動では出場したことを伏せておくべきだという風潮がありました。私自身はミスコンに出場したことはありませんが、アナウンサー仲間には何人も出場者がいました。特に商業的ミスコンの出場歴がある人は就活でひた隠しにし、「頼まれて出場した」とか「たまたま選ばれた」という説明をしていました。
2000年代になって大学ミスコンは「女子アナ」の登竜門と言われるようになり、学内の内輪受けのイベントだったものが、アナウンサーの就活の現場に変わっていきました。ミスコン自体が、世に出るための舞台になったわけです。
――テレビ局がミスコンに注目したのはなぜでしょうか。
◆学生時代から知名度があり、人前に出ることに慣れている人を採用する方が即戦力になり効率的だ、と考えるようになったからでしょう。もともとテレビ局は、アナウンサーを「職人としてじっくり育てる」という建前でやってきましたが、80年代末に「女子アナ」がブーム…
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1998年入社。岐阜支局、中部報道センター、東京社会部、くらし医療部などを経て2020年4月から統合デジタル取材センター。妊娠・出産や子育てをめぐる課題、「生きづらさ」を抱える人たちを中心に取材している。性同一性障害や性分化疾患の>人たちを追ったキャンペーン報道「境界を生きる」、不妊や不育、出生前診断をテーマにした長期連載「こうのとり追って」取材班(いずれも毎日新聞出版より書籍化)。
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