岐阜・益田清風 7月豪雨で通学路断たれ LINE通じて切磋琢磨 全国高校駅伝

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練習する岐阜県男子代表・県立益田清風高の選手たち=岐阜県下呂市萩原町萩原の同校グラウンドで2020年11月26日午後4時、熊谷佐和子撮影 拡大
練習する岐阜県男子代表・県立益田清風高の選手たち=岐阜県下呂市萩原町萩原の同校グラウンドで2020年11月26日午後4時、熊谷佐和子撮影

 男子第71回、女子第32回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社など主催)が20日、京都市のたけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場)を発着点に行われる。男子岐阜県代表の県立益田清風高(下呂市)は、新型コロナウイルスの影響で3~5月に休校したことに加え、7月の豪雨災害にも見舞われた。道路崩落などでチームが集まることすらかなわず、長期間の個別練習を強いられたが互いに励まし合った選手たちは、都大路での力走を誓い合う。

 学校再開から約1カ月遅れの6月15日に部活も再開されたが活発な梅雨前線の影響で雨が続き、7月6日に再び休校になった。8日には市内に大雨特別警報が発令され、学校近くを流れる飛驒川が氾濫。川沿いを走るJR高山線は半月、国道41号が1カ月以上、路盤の崩落などで不通になった。休校は計8日間だったが、全校生徒551人のうち、同市小坂町以北に住む81人が学校に通えなくなった。

 都大路出場メンバー10人のうち双子の岩島共汰・昇汰両選手(3年)ら6人も通学できなくなり、学校のある下呂市と通学できない選手の多くが住む高山市内とに分かれての練習を強いられた。「仲間と競い合うことが励みになるのに……」。塚中一成監督(53)は数十キロある迂回(うかい)路を車で2時間かけて行き来して指導。選手たちは日々の練習内容を無料通信アプリ「LINE(ライン)」で報告し合って切磋琢磨(せっさたくま)した。

 全体練習再開まで1カ月以上かかったが、「コロナ休校は先が見えなかったが、豪雨被害は必ず復旧すると分かっていたので『苦しい』とは考えなかった」と塚中監督。チームは「また集まれる日まで、できることを頑張ろう」と前向きな雰囲気だったという。レースも7月中旬から再開し始め、「秋の高校駅伝があることを信じてやり抜こう」と練習に取り組んだ。

 夏休みが短縮され、御嶽山麓(おんたけさんろく)の高地トレーニング専用施設で例年行う合宿もできなくなったが、夏から秋にかけて施設に通って練習を重ねた。制約も多かったが、選手たちは「練習ができるようになってありがたい」と、少しずつ日常に近づく中で「やれることを工夫してやろう」と普段以上に熱心に練習した。

 こうして迎えた県大会では、並走を続けた終盤、アンカーの石丸朋弥選手(2年)が「1ミリでも勝てば都大路」との思いを胸にラストスパート。2位とわずか4秒差で全国切符を手にした。「大変な場面に直面した各自が、試行錯誤して成長した」と塚中監督。岩島共汰主将は「チャレンジャーとして攻めの走りをみせたい」と意気込んだ。【熊谷佐和子】

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