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スクール・ウォーズの軌跡

「京都一のワル」が涙した恩師の気遣い 教え胸に体育教師に

高校日本代表のメンバーとしてオーストラリアに遠征した当時の山本清悟さん(右)。山口良治さん(左)も代表コーチとして同行した=オーストラリアで1977年(山本さん提供)

 かつて「京都一のワル」と呼ばれた高校教師が来春、定年を迎える。高校ラグビーを題材としたドラマ「スクール・ウォーズ」の中心人物、大木大助のモデルの一人となった、奈良朱雀高ラグビー部監督の山本清悟(しんご)さん(60)だ。「恩師とラグビーに出会い、救われた」。万感の思いが去来した。

 京都市立弥栄(やさか)(現開睛)中時代は札付きのワルだった。オートバイを乗り回し、たまり場でマージャンや花札に熱中した。パチンコ店にも入り浸り、夜は繁華街のスナックで遊んだ。「卒業後はアウトローの世界に入ろうとも思っていた」。身長178センチ、体重90キロ。腕っぷしも強く、「ヤサカのシンゴ」として知られた。

「ラグビーはルールのあるけんかや」

 そんな山本さんは1976年春、進学先に伏見工(現京都工学院)高を選んだ。合格発表の日、校内で呼び止められた。「清悟、ラグビーやろうよ」。当時のラグビー部監督で体育教師の山口良治さんだった。「初対面で呼び捨てにされ、ちょっとカチンときた」という山本さんは、ラグビーのことも、元日本代表FWの山口さんのことも、全く知らなかった。ただ大柄で筋骨隆々、真っ赤な顔で仁王立ちする赤鬼のような姿に衝撃を受けた。「素手では勝てへん」と引き下がった。

 自分のことを白い目で見る大人ばかりの中で、なぜ声をかけてくれたのか。入学後、直接誘いを断ろうと、体育教官室のドアをたたいた。…

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石川裕士

1986年、千葉県生まれ。2012年入社。広島支局、和歌山支局を経て、18年4月から大阪本社運動部でアマチュア野球などを担当。小中高では野球や卓球、バドミントンをプレーしていた。健康維持のため、阪神タイガースの近本光司選手がインスタグラムでレシピを紹介していたスムージーを毎朝飲んでいる。好きな言葉は謙虚、優しさ、絆。

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