<学ぶ・育つ・挑む>
私は生まれつき左耳が聞こえない。「普通」に見せたくて、積極的には友達に言っていない。自分の思いを整理したい、そして「こんな人もいる」ということを知ってもらえたらと、私のことを書く。(奈良県立大2年、若杉悠里)
★小学生の時
幼いころは、「聞こえない」ということに気が付かなかったため、「左耳は聞こえていない」と母に教えられてもあまり理解できなかった。分かったことは「普通の人とは違う」ということだ。
「聞こえていない」ことを初めて理解した時の記憶は鮮明にある。小学校のときの聴力検査だ。右耳からは音が聞こえるのに、左耳からは全く聞こえなかった。数人で同時に検査を受けていたため、クラスメートの手元を見た。皆、なんともなさそうにボタンを押している。検査が終わった後、「聞こえたの?」と友達に聞いた。私の機械だけ壊れていた、と思いたかったからだ。
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