<1>アウグストゥス 虚像と実像
バーバラ・レヴィック著、マクリン富佐訳(法政大学出版局・6930円)
<2>コロンブスの図書館
エドワード・ウィルソン=リー著、五十嵐加奈子訳(柏書房・2970円)
<3>石坂洋次郎の逆襲
三浦雅士著(講談社・2970円)
<1>若くしてカエサルの養子相続者に指名され、やがて初代ローマ皇帝になった人物の生き様を描く大作。生来、武勇でも寛容でもなかったが、平和の実現のためにはそうならんと努めた計算高い男だったらしい。碩学(せきがく)の筆致には最高水準の香りがある。
<2>新大陸を発見したコロンブスの燦然(さんぜん)たる業績も、一族への妬みや中傷もあり、地に落ちつつあった。息子エルナンドは情報と蔵書の収集にもとづき反論の論拠を示し、知識保存の重要さを歴史に刻んだ。歴史の醍醐(だいご)味(み)を感じさせる傑作。
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