「二人羽織」「お答えを差し控える」「思い出づくり内閣」 菅首相を襲う“ブーメラン発言”
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政治家は特に注意したほうがよさそうだ。政敵を批判するのはいいが、その発言は記録され、いつかブーメランのように自分に返ってくる。菅義偉首相のことである。過去の国会答弁やブログを調べると、自民党が野党だった2009~12年には政権の座にいた民主党を鋭く追及していた。その発言の数々が首相になった菅氏に刺さっているようにみえる。時事芸人のプチ鹿島さんと一緒に、語り継ぎたい菅首相のブーメラン発言3選を選んでみた。【木許はるみ/統合デジタル取材センター】
時事ネタが好きで新聞14紙に目を通しているプチ鹿島さん。この依頼の前に菅氏のブログや著書などはおさらいしていたという。早速、感想を聞くと「野党時代の菅さんはキレッキレですね。どの意見も正論で素晴らしい。書籍化してほしいくらいです」と話す。
名言の宝庫は、菅首相が10年3月の鳩山政権時代に始めたブログ「意志あれば道あり」だ。タイトルは菅氏の座右の銘でもある。当初から毎月5件前後を投稿し、熱心な情報発信に努めていた。
ブログの一部の内容は、12年3月刊行の単行本「政治家の覚悟 官僚を動かせ」に収録されている。絶版になっていたが、首相就任直前にはネット上で約10万円の高値で取引されるほどの希少本となり、版元の文芸春秋から改訂版の新書「政治家の覚悟」として出版された。
ところが、その改訂版には「議事録は最も基本的な資料です」などの記述が再録されず、削除されていたことから「ブーメランを恐れたのでは」と取り沙汰され、文芸春秋が「特定の文言の削除を意図したものではない」とコメントする騒動になった。野党の一議員としてブログを書いていた菅氏は想像もしていなかったのではないか。
さて、…
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