看護協会長が語るコロナ禍 給料減、差別…「GoTo」下でも働き続ける苦難

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
新型コロナの第3波で看護師が置かれた状況などについて話す日本看護協会の福井トシ子会長=東京都渋谷区で2020年12月15日午後4時43分、吉田卓矢撮影
新型コロナの第3波で看護師が置かれた状況などについて話す日本看護協会の福井トシ子会長=東京都渋谷区で2020年12月15日午後4時43分、吉田卓矢撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大にともない重症患者や死亡者の数は最多を更新し続け、国内の医療体制は切迫の度合いを強めている。全国の約76万人の看護師らが加入する日本看護協会の福井トシ子会長(64)が毎日新聞の取材に応じ「使命感を持って働いている看護師は限界がきている。皆さん一人一人の行動が地域の医療崩壊につながる可能性があるということをもっと意識してほしい」と訴えた。インタビューは12月15日に行われた。【吉田卓矢/統合デジタル取材センター】

「勝負の3週間」中も続いた「GoTo」

 ――西村康稔経済再生担当相が「勝負の3週間」を打ち出した直後の11月26日に、看護協会長としてメッセージを発表しましたね。

 ◆11月になり急激に患者数が増え、北海道をはじめとする医療機関でクラスター(感染者集団)が発生しました。協会の相談窓口にも、現場の窮状を訴える看護師からの相談が増え始めたためです。メッセージでは、医療現場は限界に近づいており、医療が崩壊すれば救うことのできる命も助からなくなるとして、感染予防の徹底や、医療従事者を物心両面から支えることをお願いしました。

 ――しかし、その後も感染拡大は収束していません。北海道旭川市や大阪府などでは自衛隊が派遣される事態に発展しました。

 ◆「勝負の3週間」の間も政府の「GoToトラベル」や「GoToイート」は続いていました。そんな中で「会食は気をつけなさい」「勝負の時だから我慢しなさい」と訴えても、国民には届かなかったのではないでしょうか。東京都心の繁華街を見ても、第1波の時のような外出自粛の動きは見られませんでした。

医療従事者にはやりきれない思い

 ――メッセージでは、感染制御が大変な状況なのに給与やボーナスが減額された、世間はGoToで旅行や会食を楽しんでいるのに自分たちは一切できないといった看護師からの悲痛な声も紹介されました。

 ◆看護師たちは第1波から約10カ月にわたって、これまで経験したことのないような職場環境の中で絶えず緊張を強いられてきました。看護師の業務は大幅に増えています。例えば、…

この記事は有料記事です。

残り2295文字(全文3171文字)

あわせて読みたい

この記事の筆者
すべて見る

注目の特集