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第70期王将戦

第70期王将戦の特集ページです。3冠を誇る渡辺明王将に、タフな戦いを得意とする永瀬拓矢王座がどこまで迫るか。

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豊島竜王になぜ勝てない? 今年の「一手」は? 藤井聡太2冠が激動の2020年を振り返る

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インタビューに答える将棋の藤井聡太王位=東京都渋谷区の将棋会館で2020年11月22日、宮間俊樹撮影
インタビューに答える将棋の藤井聡太王位=東京都渋谷区の将棋会館で2020年11月22日、宮間俊樹撮影

 2020年夏、立て続けにタイトル二つを奪取した将棋の藤井聡太王位・棋聖(18)。それは「藤井時代」の幕開けを告げるかのようだった。しかし秋の王将戦リーグではまさかの陥落。コロナ禍による長期の対局中断も経験した激動の1年となった。そんな1年を振り返り、藤井が選んだ「今年の一手」は? AI(人工知能)を超えたと大きな話題になったあの絶妙手ではなかった。【聞き手・新土居仁昌、吉永康朗】

 ――2020年を振り返って、タイトルホルダーになってから心境の変化はありましたか。

 ◆初めてタイトル戦に出ることができて、王位戦、棋聖戦とも獲得という結果を出すことができたのでいい1年になったのかなと思います。ただ、タイトルホルダーという立場になっても、これまでの目標が変わるわけではないので、引き続き実力を高めることを目標にしていきたいなと思います。

 ――対局の時に上座に座ったり、揮毫(きごう)したりする機会も増えましたが、慣れましたか。

 ◆(タイトルを取る前は)上座に座る機会は半分以下だったと思うので、そこは結構大きな変化かなと思うんですけど。まあ、徐々に慣れてきたのかなと思います(笑い)。

 ――以前、今年の思い出の1局はタイトル戦初挑戦となった棋聖戦第1局だと話していましたが。

 ◆ふふふ、はい。

 ――それ以外では?

 ◆そうですね、6月は印象に残る対局が多くて、棋聖戦と王位戦の(いずれも永瀬拓矢王座との)挑戦者決定戦、順位戦(B級2組1回戦)の佐々木勇気七段との対局などは印象に残っています。

 ――その3局の中でのベストは?

 ◆そうですね……。順位戦の佐々木七段との将棋はけっこう中盤からずっと際どい局面が続いて、まあ面白い将棋だったのかなと思います。

 ――では「今年の一手」を挙げるとすれば、AIを超えたと話題になった棋聖戦第2局の「3一銀」ですか? 守りの「3一銀」は最強の将棋ソフトが6億手読んで見つけ出した絶妙手でした。

 ◆えーと……。棋聖戦の第1局で「1三角成」という手があったんですけど、なんというか、際どいところを踏み込んでいくという、自分の将棋の特徴が出せた手だったのかなという気がします。

 ――王将戦リーグは3勝3敗で指し分け。残念ながら順位の関係で陥落となりました。豊島将之竜王との対局では勝勢を築いた後の逆転負け。(6戦全敗中の)豊島戦は何か意識するところがあるんでしょうか。

 ◆うーん、そうですね。あの将棋は中盤はうまく指せていたと思うので、結果は残念だったんですけど。やっぱり豊島竜王はとても粘り強い将棋なので、そこは見習わなければいけないのかな、というふうに思いました。でも自分としてはそんなに意識するということはない。意識しても特にいいことはないと思うので(笑い)。

 ――王将戦リーグ全体を振り返ると。

 ◆今期は内容的には少し自分の課題が多く出たというか、全体的にいいパフォーマンスが出せなかったと思うので、結果についても仕方ないのかなという気がします。

 ――課題を克服する上で大切だと思っていることは?

 ◆自分自身を客観的に見ることかな、と思います。やっぱり自分の将棋がどういう特徴があるかとかは、指しているときには当然意識しないというか、普段はあまり意識していないことなんですが、そういうところを見つめ直していく必要があるのかなと思います。

 ――今、一番考えている課題は時間配分ですか?

 ◆あ、いや、時間については今期の王将リーグでも、そんなにすごい残っていなかったわけではないはずなので。ただ豊島戦もそうですけど、指しやすくなってから勝ちまで持っていくというのが今期はたぶん弱かったと思うので、それは何というか、もう少しよくしないといけないということかなと思います…

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