メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

スクール・ウォーズの軌跡

まいた種は未来へ 伏見工OBの決意「一生かかっても返せぬ恩」

伏見工高OBで花園優勝メンバーの坪井一剛さん(手前左から2人目)らは京都伏見クラブを立ち上げ、小中学生を指導している=京都市伏見区で2020年11月16日午後8時13分、長宗拓弥撮影

 100回の節目となる記念大会への道が断たれ、スタンドに掲げられた「信は力なり」の横断幕が、寂しそうに揺れていた。11月21日、奈良県天理市の天理親里競技場。高校ラグビーの名門、伏見工が2016年春に他校と統合して生まれた京都工学院は、全国高校大会への最終切符を争う近畿ブロック予選の準決勝で、報徳学園(兵庫)に21―24で惜敗した。

 試合後、大島淳史監督(38)は目を赤くしていた。「名前が変わっても伏見の歴史、精神を引き継がないといけない。子どもたちを(花園へ)連れて行けずに申し訳ない」。伏見工として臨んだ15年度を最後に花園からは遠ざかっている。

 伏見工は過去に4度、日本一になった。初優勝が第60回大会(1980年度)、3度目の優勝が第80回大会(00年度)と、節目の大会で栄冠を手にしてきた。大島さんは第80回大会優勝時の主将だ。伝統の重みを知ればこそ、悔しさが募る。

 元日本代表の山口良治さん(77)が76年に監督に就任して礎を築いた伏見工は、花園に20回出場し、通算52勝を挙げた。しかし、今年の京都府予選決勝で0―28と完敗した京都成章の台頭もあり、過去10大会で出場したのは3回のみ。統合後は進学に力を注ぐ学校方針もあり、環境は著しく変わった。

伝統の「赤黒」 地域に受け皿を

 それでも伝統を受け継ごうとする取り組みは、草の根レベルで根付いてきた。京都市伏見区の郊外にあるグラウンドでは、伏見工と同じ赤色のジャージーに黒色の短パンという「赤黒」の子どもたちが楕円(だえん)球を追っていた。

この記事は有料記事です。

残り1569文字(全文2222文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. ファミマ・お母さん食堂に異議 声上げた高校生に「慎吾ママ」生みの親がエール

  2. 新型コロナ、国内の死者5000人に 14日間で1000人増

  3. #自助といわれても 気づいたら全財産103円 42歳女性が「見えない貧困」に落ちるまで

  4. 二つの支持率が占う菅政権の今後 政権運営力低下を無情にも示すその「差し引き」

  5. 香取慎吾さん「声に出せることしか投稿しない」 SNSでの中傷がテーマのドラマに主演

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです