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アートの扉

発見!お宝 太田記念美術館/6止 鈴木春信 つれびき 寄り添う構図、深い愛情

1767年頃、太田記念美術館蔵

 カキツバタが咲く池のほとりで、若い男女が体を寄せ合い、一棹(さお)の三味線を2人で弾いている。顔だけでは判別しづらいだろうが、右側が男性である。見極めるポイントは髪形だ。前髪を残したまま頭頂部を剃る若衆髷(わかしゅまげ)という髪形で、女性のように櫛(くし)を挿さないことを知っておくと覚えやすい。元服前の男性特有の髪形なので、この2人は若い10代のカップルということになるだろう。

 男性が弦を指で押さえ、女性がばちで音を鳴らしている。奇麗な音色を出すには、よほど呼吸を合わせなければならない。2人で演奏する姿を当時の人々が見た時、実はある歴史上の人物を思い浮かべる。中国・唐時代の玄宗皇帝とその愛妻の楊貴妃だ。2人で一緒に一管の横笛を吹いている「並笛図(へいてきず)」が、男女の愛情の深さを示す画題として、広く知られていたのである。その玄宗と楊貴妃という古典的な画題が、今風の若者…

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